賃貸物件を探すとき、多くの人が頭を悩ませるのが「連帯保証人」の問題です。
「保証人を頼むのは気が引ける」「そもそも頼める人がいない」という方も少なくありません。
そんな方々にとって、保証人不要物件はまさに救世主です。
今回は、大手不動産ポータルサイト「SUUMO」を活用し、全国の都道府県別に保証人不要物件の割合を調査してみました。
この記事では、その調査結果を詳しくご紹介していきます。
連帯保証人が不要な物件の割合を知りたくなったきっかけ
私自身、連帯保証人を頼める人がいないため、引越しの際には常に「保証人不要」が最優先条件となっています。
最近では、保証会社を利用することで連帯保証人なしで借りられる物件が増えてきていますが、地域によってはまだまだ保証人を必要とする物件も多いのが実情です。
友人の話になりますが……
例えば、過去に京都で物件探しをしていたときのこと。
地元の不動産会社から「京都では伝統的な風習が強く残っているため、保証会社に加入しても連帯保証人が必要なケースが多い」と告げられたそうです。
それまで3度の引越しを連帯保証人なしで済ませてきた私にとって、この地域差には驚きました。
そのため、友人は京都への引越しを一旦断念していましたが……
後々考えてみると「本当にそんなに地域ごとの差があるのか？」と疑問に感じるようになりました。
連帯保証人制度の背景
まず、なぜ連帯保証人制度が存在するのでしょうか。
連帯保証人は、賃貸契約者が家賃を滞納した場合に代わりに支払う責任を負います。
貸主にとっては、家賃の未払いリスクを軽減するための重要な制度です。
しかし、この制度は借主にとっては大きな負担であり、特に連帯保証人を頼める人がいない場合には物件選びが非常に難しくなります。
最近では、親族とのつながりの希薄化や少子高齢化、さらには外国籍居住者の増加などが影響し、連帯保証人を確保することが難しい人が増えています。
その結果、連帯保証人がいなくても保証会社を利用することで賃貸契約が可能な物件が増加しているのが現状です。
調査方法
今回の調査では、SUUMOの「保証人不要」条件を利用して都道府県ごとの保証人不要物件の割合を算出しました。
まず、各都道府県で掲載されている総物件数を調べ、そのうち「保証人不要」物件の数を確認しました。
また、日本賃貸住宅管理協会が実施した2018年の「家賃債務保証の利用状況調査」によると、全国平均で約50%の物件が保証会社のみで賃貸契約が可能と報告されています。
今回はこの平均値と比較しながら、どの地域が保証人不要物件の多いエリアなのかを分析していきます。
保証人不要物件数が多い都道府県ランキング
2023年11月に実施した調査によると、保証人不要物件の割合が高い都道府県は次の通りでした。
全国平均と比較した結果
全国平均では、保証人不要物件の割合は45.48%でした。
しかし、地域によってその割合には大きな差があります。
例えば、京都府は保証人不要物件の割合が非常に低く、連帯保証人を確保できない人にとっては物件探しが困難な地域であることが分かりました。
一方で、和歌山県は保証人不要物件の割合が全国トップであり、関西圏内では比較的借りやすい地域となっています。
他の関西圏の都道府県と比べても、和歌山県の柔軟な対応が目立つ結果となりました。
空き家率との関係
次に、保証人不要物件の割合と空き家率の関係についても考察しました。
総務省が発表した「住宅・土地統計調査」によると、和歌山県は空き家率が非常に高いため、賃貸条件が緩和されていると考えられます。
逆に、埼玉県や沖縄県は空き家率が低いにもかかわらず、保証人不要物件が多い地域です。
これらの地域では、賃貸市場のニーズに応じて保証人不要の物件が増えていることがわかります。
保証人不要物件が多い地域の特徴
今回の調査から、保証人不要物件が多い地域の特徴として、必ずしも空き家率の高さが直接影響しているわけではないことが明らかになりました。
保証人を用意できない人に対してフレンドリーな地域は、賃貸市場の供給と需要のバランスが鍵となっており、地域ごとの事情が大きく影響していると言えるでしょう。
例えば、東京や埼玉、神奈川といった首都圏の都道府県では、人口が集中しているにもかかわらず保証人不要物件が多く、物件探しにおいて有利な地域となっています。
逆に、人口が少なくても保証人不要物件の割合が低い地域も存在し、地域ごとの特性が賃貸市場に与える影響は多岐にわたります。
結論：保証人不要物件の探しやすさには地域差がある
連帯保証人がいない人にとって、保証人不要物件が多い地域は住む場所の選択肢が広がる大きなメリットとなります。
しかし、今回の調査からも明らかになったように、その割合には都道府県ごとに明確な地域差が存在します。
引越しや転職を考える際には、保証人不要物件の多い地域を選ぶことで、よりスムーズに新生活をスタートさせることができるかもしれません。
一方で、保証人不要物件の数だけでなく、その背景にある地域ごとの需要と供給のバランスや、空き家率なども考慮する必要があります。
賃貸物件を探す際には、こうした地域ごとの特性を踏まえて、自分にとって最適な住まいを見つける手助けにしていただければと思います。
最終的には、保証人不要物件の多さだけではなく、生活環境や仕事のアクセスのしやすさなど、他の要素も総合的に判断することが重要です。
連帯保証人を確保するのが難しい方にとっても、今回の情報が少しでも役立てば幸いです。
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